初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
丸いテーブルには綺麗な白いテーブルクロスがかけられ、綺麗な銀食器とワインレッドのテーブルナプキンが、あたしの前とシンさんの前にそれぞれ並んでいる。
その向こうには、空のワイングラスも。
「……」
一気に大人になった気がして、あたしの頭はくらくら。
でも――自分の格好に目を落として現実に引き戻されてしまう。
――こんな格好、すごく浮いてるよね……
「格好も子供っぽくて、その……シンさんにエスコートしてもらえるような大人じゃないのに、あたし……」
言っているうちに心に影が落ちていく。
今日は本当に軽く会って終わるんだと思っていたから、あたしもいつも通りの服をチョイスしたけど……
「気にすることはないよ」
けれどシンさんは、落ち込みかけてるあたしにそう言葉をかけてくれる。
俯きかけた顔をそろりと上げると、いつもの微笑みで優しくあたしを見つめてくれていたシンさんは、グラスに水を注ぎにきてくれていたギャルソンがテーブルから立ち去るのを見届けてから、
「さつきちゃんの服は変じゃない。むしろ――とても似合ってるよ」
だから気にしないで、と。
あたしの不安気な気持ちをかき消してくれるかのように、穏やかで優しくそっとあたしだけに聞こえるような声で囁いてくれた。
その向こうには、空のワイングラスも。
「……」
一気に大人になった気がして、あたしの頭はくらくら。
でも――自分の格好に目を落として現実に引き戻されてしまう。
――こんな格好、すごく浮いてるよね……
「格好も子供っぽくて、その……シンさんにエスコートしてもらえるような大人じゃないのに、あたし……」
言っているうちに心に影が落ちていく。
今日は本当に軽く会って終わるんだと思っていたから、あたしもいつも通りの服をチョイスしたけど……
「気にすることはないよ」
けれどシンさんは、落ち込みかけてるあたしにそう言葉をかけてくれる。
俯きかけた顔をそろりと上げると、いつもの微笑みで優しくあたしを見つめてくれていたシンさんは、グラスに水を注ぎにきてくれていたギャルソンがテーブルから立ち去るのを見届けてから、
「さつきちゃんの服は変じゃない。むしろ――とても似合ってるよ」
だから気にしないで、と。
あたしの不安気な気持ちをかき消してくれるかのように、穏やかで優しくそっとあたしだけに聞こえるような声で囁いてくれた。