初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
 色んな話をしながら、あたしたちは高校に到着し、早速発表されたクラス替えに従って新しい2年の教室へと入る。

 去年に引き続き、今年もあたしとマコ、それにタクミの3人は同じクラス。

「今年も一緒でよかったね」

「うんっ、今年もよろしく」

 マコと一緒のクラスは心強い――そう思いながら、

「おい、俺も一緒なんだぞ」

「あ――ついでにタクミもよろしくっ」

 隣で少し不満そうに呟いたタクミに、わざとついでのように言えば、

「ひでぇ。俺、オマケっぽい言い方」

 むくれたタクミの顔を見て、あたしとマコは大笑いした。

「でもま――お前は抜けてるからな。俺が見ててやらねぇと、危なっかしいぜ」

 ぽん、と頭の上にタクミの大きな手が乗る。

 そしてそのまま、髪の毛をぐしゃぐしゃ――と、弄られた。

「んもうっ、タクミ――っ!」

「はははっ、俺をおまけにした腹いせだ」

 髪の毛を手櫛でおさめるあたしに、からりと笑うタクミ。

「あんたたち、本当に昔から良いコンビよね」

 それを見ながらマコがそう言うのが、お決まりのようになっていた。
< 90 / 212 >

この作品をシェア

pagetop