初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
退屈な始業式が終わると、今度は教室でロングホームルーム。
新しい教科書に、新しい係の選出。
2時間のホームルームで決めるべきことを決め、新しく担任になった先生の話を少し聞いたあと、今日の学校は終了。
タクミは部活があるから学校に残るけど、あたしとマコは帰宅部だから、また一緒に下校。
そのとき、あたしは朝に言えなかった春休みの間のことを、帰り道の中でマコにぽつぽつと話す。
シンさんのことは、最初にお店に来てくれた翌日に学校で話していたから、マコも「ちょっと変わったお客さんだった」っていう情報程度には分かってくれている。
けれど、春休み中にあった出来事は、メールで話すにはちょっと長すぎるし、あたしもどう説明していいのか分からなかったから、結局言えないままだった。
あのあと、春休みはほぼ毎日のようにお店に来てくれたこと、そしてお店の勝手口でのあの「缶コーヒー」の出来事や、その前日にタクミに見られてすごく勘違いしていること……
「ふぅん――なるほどね」
全部を相槌を打ちながら聞いてくれたマコは、
「春休みの間にそんなことがあったのね――……」
ちょっと考えるように空を見上げたあと、
「ま、タクミの事は置いといて――さつき自身の気持ちはどうなの?」
マコはいきなりそんなことを聞いてきた。
新しい教科書に、新しい係の選出。
2時間のホームルームで決めるべきことを決め、新しく担任になった先生の話を少し聞いたあと、今日の学校は終了。
タクミは部活があるから学校に残るけど、あたしとマコは帰宅部だから、また一緒に下校。
そのとき、あたしは朝に言えなかった春休みの間のことを、帰り道の中でマコにぽつぽつと話す。
シンさんのことは、最初にお店に来てくれた翌日に学校で話していたから、マコも「ちょっと変わったお客さんだった」っていう情報程度には分かってくれている。
けれど、春休み中にあった出来事は、メールで話すにはちょっと長すぎるし、あたしもどう説明していいのか分からなかったから、結局言えないままだった。
あのあと、春休みはほぼ毎日のようにお店に来てくれたこと、そしてお店の勝手口でのあの「缶コーヒー」の出来事や、その前日にタクミに見られてすごく勘違いしていること……
「ふぅん――なるほどね」
全部を相槌を打ちながら聞いてくれたマコは、
「春休みの間にそんなことがあったのね――……」
ちょっと考えるように空を見上げたあと、
「ま、タクミの事は置いといて――さつき自身の気持ちはどうなの?」
マコはいきなりそんなことを聞いてきた。