えがお~最後に残した言葉~
「琳も柚希と…
この続きは琳が、琳が
死んじゃうときに言うね」
そう言う
琳の声は震えていて、
引きつった
顔で笑っていた。
目からは今にも
涙が溢れそうで…
そんな琳をみて、
僕は立ち上がった。
「柚希どこ行くの?」
「先生のところ」
琳が僕に沢山の
笑顔をみせてくれたから。
そのお礼で
僕は琳を喜ばせる。
白しかない
長い廊下を走り
先生に話しかける。
「先生!」
ゆっくりと
振り返り……
「雨宮さんの
彼氏だったかな」
そう呟いた。
「濱口柚希です」
そうか、
何か用ですか?
と少し嫌みっぽく言われた。
「琳の外出を
認めてください」
先生は黙り込んで
一言、駄目だと言った。
それでも
食い下がらない僕に
先生はこう言った
「3時間だけだぞ?
雨宮さんの具合が悪く
なったら中止にしなさい。」
それに僕は
はいっと頷いて、
僕は琳を喜ばせる
計画をたてるために
家に帰った。
* * * *