答えを導く少女

21. 装置

「あの場所は…『W』の施設」




アカネは崩壊するビルを見ながら言った。




「ガキ共…多才能力者のことなの」


「君達が捕まえたNO.5、NO.6、NO.8を返してもらう。
仲間だから」




アカネはアイドの方を向いた。




「残念ね。あなたの仲間、NO.8は亡くなったわ」


「嘘だ」




今まで冷静だったアイドが叫んだ。




「本当のことよ。
私は死体を確認した。
彼が息を吹き返すことはなかった」




アイドは話さなくなった。




「仲間を助けた。
アンタの目的は達成した。
でも、これからどうするの。
逃げることは不可能よ」




アイドは右腕を上げた。


同時に周囲が暗くなった。


私は空を見た。


そこには町全体を覆う白い半球体が浮かんでいた。




「これは…」




アイドが腕を下に降ろすと同時に半球体の浮かんだ物体は徐々に落下し始めた。




「アンタ…何をしたの」




アイドは答えない。


アカネはアイドに向かい、首を掴み、病院の壁に叩きつけた。




「止めなさい。今すぐに…」




アカネはアイドの顔を殴った。


何度も何度も殴った。


アイドは何も答えない。


アカネは戦う気力を失ったアイドを降ろした。


アイドは抵抗をしない。