答えを導く少女
6. 回想
私は幼い頃に才能が開花していた。






私はまだ世界の事、自分の能力が何かを知らなかった。








だから、私は人間が成長すると、理解度や考えることが変わってくるのかと思えた。







生き物を見ると、誕生から亡くなるまでが見えてくる。








新品の商品もやがては錆びる。












そんなことが無意識に想像することが人間だと思えた。




















ある時、私の祖父が亡くなった。







皆が涙をする中、私だけが泣かなかった。







その姿を見た両親が私に尋ねた。









「ナナミちゃん、どうして泣かないの」









私は素直に答えた。










「私には見えてたの。
いずれこの世からいなくなるって…お母さんも見てるんでしょ。
どうして泣くの」








「ナナミ、それは本で読んだのか」









「ううん、見ていれば頭に浮かぶでしょ。
どうして…」



















その日から、私の生活は変わった。









両親は祖父の葬式が終わると、病院をいくつか回った。








私は多くの先生達に自分の見えている世界を話した。








両親はその度に泣いていた。











その回った最後の病院が森下総合病院だった。










担当の先生は森下先生で年配の先生だった。
< 29 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop