答えを導く少女
私の仕事場は森下総合病院内で行われた。








能力病の発症早期発見をするためだ。









まだ、能力病に関しての治療法がないため、病気が発症した場合には、今の仕事を辞めることにしていた。








私の他の通院患者同様に通い仕事を行った。









この生活が続くと思っていた。









一年前、仕事に取り掛かる前に行う森下先生の診察で能力病が発症したと報告された。










その日からしばらくの間、仕事を休むことにした。







私は夫と話し合った。







仕事を続けるか。








それとも、能力を使用しないで暮らしていくか。









能力病とは能力の使用しすぎるために発症する病気だと一説ではあった。







この病気は未知の病気のため、その特性に関しては研究が続けられていた。









休日の間、話し合い、考えて結論を出した。













『続ける』ことにした。



私の仕事がなくなれば、仲間に迷惑がかかる。







私の事を信じて行動してくれていた人。












私に一度も会ったことのない人が世界のどこかで私のシミュレーション結果を信じて行動している人。











辞めれば、その人達に申し訳がない。













それに、
『Cの世界』を守る夫、
『Cの世界』を管理するアカネ、
『Cの世界』を導いた伊藤君、
………山本君に申し訳がない。
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