答えを導く少女
『世界がおかしい』





そう感じるようになったのは十年前に夫から尋ねられたときに気付いた。




私はその質問に対して答えを導いた。




けれども、答えは一つだった。何もかわらない。





この数百年の歴史の中で何も変わらずにいる。




そして、これからも…







不思議な感覚だった。



まるでこの世界を裏で誰かがコントロールしているように感じた。



私はその答えがこの資料からわかる。裏で動いているのは『G』であり、彼らによりこの世界のバランスは『才能』を中心とする世界になった。






「解答にはなる。
でも、その資料が正しい情報なのかの確証はない。
偶然、私の疑問の答えとなったかもしれない」





「…つまり、資料が正しいものなのかどうかが必要なわけだな」




「そういうことになる」




「やはり、誰か行かせるしかないか…」




伊藤君は資料を鞄に入れた。




「本当にやるの」




「ああ、それが俺の目指したものだからな」




私は伊藤君を見た。





「伊藤君、あなたは…何者なの。
まるでこの世界のことを昔から知っていたように聞こえるけど…」







伊藤君は立ち上がった。
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