雨嵐

「どうした??」


知らないうちに見つめてたみたいだった。


「何でもないです!!」


声が裏返ってしまった。


「ハハッお前面白いな!!」


何て綺麗に笑うんだろう・・・。


そう思った。


「この道って事は寮で良いか??」


「はい・・・」


彼はそれから何も聞かずに寮まで送ってくれた。


「また、逢えると良いな・・・」


そう言い残して走って行ってしまった。


名前聞くの忘れちゃったな・・・。


きっと優しい人なんだろうな。


思えばもう恋をしていたのかも知れないね。


あの眩い無邪気な笑顔をもう一度見たいと私は思っていたはずだから・・・。



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