嘘と苺とショートケーキ 【短編】
そう、この態度から丸わかりだと思うけど―――あたしは初めて知り合った中1の頃から、ずっとナオのことが好きだった。
だけど意気地無しのあたしには、想いを伝える勇気がなくて。
高校2年生の現在まで、ずるずると友達を極め今や親友と呼んでも過言じゃない。
『(誕生日おめでとうって早く言って欲しいなぁ♪)』
やっぱり好きな人に言ってもらえた“おめでとう”って威力が大きいんだよね!
『待っててね、ナオ!今行くから!』
「……なに変質者の如く叫んでいるんだ、月菜」
呆れた声が聞こえた方を振り返ると、そこには友達の七鴇 藍依(ななとき あいえ)がいた。
古風な喋り方から想像できるように、顔立ちもまた和美人だ。
黒色ストレートの長い髪を靡かせ、今日も今日とて隣に男を侍らせている。
…羨ましいこと、この上ない!
でも隣にいるのは、ただの幼馴染み。
……つい先日までは、そうだったのに。