嘘と苺とショートケーキ 【短編】
「おっはよー藍依!彰哉くんも!」
藍依の幼馴染み、灘谷 彰哉(なだたに しょうや)くん。
眼鏡男子代表と言っても良い。
まぁ結構カッコいいとは思うけど、藍依以外は眼中にナシ!って感じバリバリ。
つい最近まで彰哉くんの想いに気付かなかった藍依は、とんだ大物だ。
「おはよう、倉眞さん。誕生日おめでとう」
『…えっ』
予想外の祝辞に驚いて、思わずぽかんと口を開けてしまった。
「っ!?彰哉!何故わたしより先に言ったんだ!先ほど話しただろう、わたしが先に言うんだと!」
「そうだったか?」
しれっと無表情で彰哉くんは言ったけど、よく見なきゃわからないくらい微かに笑っていた。
藍依との付き合いが長いと、必然的に彰哉くんとも仲良くなれる。
「おっ…お前という奴は!なんと非道な…!」
「早い者勝ちだろ」
「な、なんだと!?もう一度言ってみろ!」
「早い者勝ちだろ」
「言うなー!」
…藍依は、彰哉くんと付き合ってから優しくなった。