嘘と苺とショートケーキ 【短編】
「倉眞さん、はいこれ」
「ぎゃー!彰哉、フライングはいい加減にしろ!月菜!う、受け取れ!」
彰哉くんからは静かに、藍依からは勢いよく差し出されたそれ。
可愛いラッピングが施されたそれは、言わずもがな―――誕生日プレゼント。
『ふ、2人ともぉ…!ありがとう!大好き!』
「喜んでくれて良かった」
「る、月菜の好みを一生懸命考えたんだぞ!」
涙腺が崩壊しそうになるのをぐっと堪え、あたしは2人に抱き付いた。
嬉しい、嬉しい!
こんな良い友達を持ってあたし幸せ…!
『えへへ、ありがとう!後で開けるねっ』
藍依たちとは同じクラスのため、3人で一緒に教室まで歩いた。
あたしはナオに呼ばれていたから、手前のA組で2人と別れた。
『(き、緊張してきた…!)』