嘘と苺とショートケーキ 【短編】
な、ナオの話ってやっぱり告白だよね!?
誕生日のことだったら話がある、なんて言わないもん……多分!
お得意の自己完結を済ませ、あたしはもう一度だけメールを読み直した。
脳内で何度もナオの言葉を反芻して、心を落ち着ける。
…よし、いける!!
『(行くぞっ…!)』
ぐっと拳を固く握り締め、B組の扉を勢いよくガラッと開けた。
教室に踏み込んだのと同時に、肩を叩かれた。
「月菜ちゃん、おはよー」
『ひっ!?あ、ああ、おひゃ、おはよう!紫折(しおり)ちゃん!きょきょっ今日も良い天気だね!!』
突然の出来事に驚きすぎて、心臓が口から飛び出すところだった。
かかか噛んじゃったよ…!
どんだけ緊張しちゃってるの、あたし!!
こんなんじゃダメダメ、余裕を持って会わなきゃ…!
「う、うん?」
紫折ちゃんは不思議そうに首を傾げて、あたしの横を通り抜けた。
ご、ごめんね紫折ちゃん…!
『(そうだ、こういう時こそ例の深呼きゅ…)』
「はよ、ツキナ!」
『わきゃああああああっ!!』