私の日常～勘違いだらけの毎日～
あれから数日経った。水城は、元々そういう噂を気にしない方だったのだが、その数日の間に水城はかなりの苛立ちを覚えていた。

それは水城が移動教室で青柳のクラスを通って行こうとした時に起こった。

丁度青柳が廊下で男子達と話している所を水城が通ったとたん、フッ…と青柳が鼻で笑ったのだ。

最初は偶然だと思って気にしてはいかなかったが、偶然ではないと分かりはじめ、先ほどいったように苛立っていたのだ。


「梅っ、あの勘違いヤローをどうにかしてよ。」


水城は加奈の机をドンッと叩いて言った。


「えぇ、面白いから良いじゃん」

「最近分かったことなんだけど…アンタ…人のカメラ勝手に使って撮ってた時あったよね…その時にアンタがあの勘違いヤローを撮りに行ったんじゃ…それで今の現状に…」

「え、何のこと…私は知らないなぁ…」


加奈は水城から目を逸らして答えた。


「じゃあなんでシャッターが壊れてるのよ」

「それは私じゃないし…あ、福部(ふくべ)菓子ちょうだい」


そう言って加奈は福部から菓子を貰っていた。


「別に構わないけど梅津さんって、いつもお菓子に関しては察するのが早いよね」

「まぁね」


加奈は自慢気に言った。


「梅っ、まだ話終わってない。」

「松沢さんもお菓子食べない」

「今は遠慮しとくよ」


水城はそれを断った。


「ところでかなり前の話になるけど、梅津さんが走ってバスケ部の方を見に行った時転んでたけど大丈夫だったの」


福部は菓子を袋から一つとりだしながら話した。


「へぇ…やっぱりカメラを壊したのはアンタじゃないか…って梅がいない」


加奈は福部の話に危機感を察知したのかいつの間にか菓子と共にその場から忽然と消えていた。


「俺の菓子までなくなってる」

「梅ぇっ」


とにかく、犯人は福部の証言で加奈だということが分かったのだった。
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