悪い女

それでも廉はあたしから離れない。


『なんか茜ちゃんは居心地がいーから』


ムカつく位優しい目でそう言った廉が腹立たしい。


『あ、真希ちゃん達、茜ちゃんには絶対悪さしないでね?もし何かしたら殺すから』



廉はまだ、あたしに嫌がらせを続けていた女子グループに、恐ろしく冷たい口調に不似合いな程綺麗な微笑でそう言った。

女子には優しい男だと聞いていたのに。嘘っぱちだ。廉の真実なんてどこにもない。


それから、その女子達が何かしてくる事は確かになかった。



『陰湿』な嫌がらせに間違いはなかったけど我慢出来ない範囲じゃないし、廉にはあたし以外にも沢山女がいたから。あたしに特定する理由はないってゆうのが理由で、あたしはその内何もしなくてもこの嫌がらせは収まると思ってたのに。



結局そのせいで、廉の『所有物』みたいな扱いのまま変わる事はなくて今に至る。



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