悪い女
「ちょ、何考えてんの」
あたしは廉の腕を振り解こうと試みながら不機嫌な声を出すけど、廉は相変わらず何考えてるのか全く掴めない顔でスタスタと歩く。
自己中男。
何考えてんのかなんてさっぱり分からない。
こいつは顔とセックスが上手いだけが取り柄のガキだ。
あたしは胸の内で悪態をついてから、結局こうなったら譲らない廉の横顔に溜め息をついて、大人しく引きずられるまま、廉の背中だけを眺めた。
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