月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
見えなくなるまで、あたしは立って見送っていた。見失わないように。
勝手に動いた口から出たのは、心の声だって分かってる。分かってる。
自分から近付きたいと思ったから。だからあんな事言ったんだ。
泣くときに1人じゃないほうがいいなら、それなら冬海に側に居て欲しい。
それが何の為の涙でも、冬海に側に居て欲しい。
自分の心がそう声をあげるのをあたしは聞いたから。
このまま、始まってしまっても良いと思ったから。
もう冬海の背中は見えないのに、日が傾いてきた空の下、ずっと見ていた。
ずっと、冬海の帰った方向を。ずっと。
勝手に動いた口から出たのは、心の声だって分かってる。分かってる。
自分から近付きたいと思ったから。だからあんな事言ったんだ。
泣くときに1人じゃないほうがいいなら、それなら冬海に側に居て欲しい。
それが何の為の涙でも、冬海に側に居て欲しい。
自分の心がそう声をあげるのをあたしは聞いたから。
このまま、始まってしまっても良いと思ったから。
もう冬海の背中は見えないのに、日が傾いてきた空の下、ずっと見ていた。
ずっと、冬海の帰った方向を。ずっと。