月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
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昼休み、ご飯を食べた後にあたし達3人は職員室に向かって居た。
教室を移動する生徒や廊下で語り合うカップル、無駄にうるさい男子生徒集団なんかをくぐり抜けて職員室へ。
「吉永センセー、居るかな?」
美由樹は楽しそう。「さあね」と言う梓は眠そう。
「んー居ないっぽいな」
職員室のドアを少し開けて、こっそり覗いた美由樹が言う。
「居ないの? 吉永」
「俺になんか用か」
3人とも、あまりの驚きに声が出なかった。後ろから聞こえて来たのはその吉永先生の声。
「呼び捨てにすんなよ、3人娘。幸田、お前が居ながら」
「ええ、そのあの」