月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
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「あのさこういう事ってさ昨日のうちに普通メールくれたりしないのどうなのアキラ」
梓さん目が怖いです。
「そーだよぉ言わないなんて呪われるよ」
美由樹さんも小悪魔なのが悪魔に見えるんですけど。
「す、すいません」
昨夜は興奮して2人に、今朝冬海と駅で待ち合わせしたことを伝え忘れた。
あーもう子供じゃないんだから別に言わなくたって! と思う所だけど。あたしのこういう状態は2人にとって、面白いの半分、心配半分なんだろうな。分かってるからあたしは話すんだけど。
かくかくしかじか。こういう時に便利な言葉です。
「事後報告が多すぎるから、もうちょっと早くさ。もう「これから待ち合わせ」みたいな時にメールして。むしろ誘う前にメールして」
梓はするりと長い指をおでこにかざして言った。美由樹が隣でウンウン言っている。
「前のめりすぎじゃない」
あたし達が居る廊下。廊下に規則正しく並んだ窓から入る光はちょっと強め。生徒のざわめきも混ざってるような感じがする。
「アキラは前のめりぐらいでちょうど良いんじゃないの」
また、梓の隣で美由樹が隣でウンウン言っている。
「美少年、幸せにしてくれそう?」
美由樹の可愛い首かしげ。あたしにはできないけど、あたしは可愛くないけど。