月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
 2月に外で草むらで寝てた人に言われたくないんだけども。

 でもまさか、こんなところで会えるなんて。嬉しい。嬉しい凄く。ぐるぐると思考を巡らせ、あたしは色々考えるけど、とりあえずは会話を。

「あ、えと。覚えてるの?」

「もちろん。この学校で一番に覚えたセンパイだし」

 まぁ、出逢い方も衝撃的だったし、ね。

「あと、入学式の時も見かけた。生徒会の人なんですね、センパイ」

 気付いて、いたんだ。あたしだけかと思ってた。

「うん。何もしてないけど」

「センパイ、顔で選ばれたんでしょ」

「ええ、なにそれっ」

「きれいな人だから」

 ……。この人は……。

 いや、嬉しいけどね! なんていうか、このお人形さんみたいな美少年に言われても、なんかこう。アレです。

「……恥ずかしがらずに、よく言えるね。そんな事」

「だってそう思うし」



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