月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
「あ、意外と女の子っぽい携帯」

 ポチポチとメールを打つあたしを見て、冬海が言う。あたしの携帯、ピンク色。ピンク好きだから。

「女の子だもん」

「ねね、俺とアドレス交換しよ。センパイ」

 いともあっさりと。まるで、挨拶でもするように、あっさりと。

「え、う、うん。いいけど」

「えーやったぁ。せきがいせーん」

 携帯を近づけて、どーかな、行くかな、とか言ってる冬海。
 ”受信しました”と出るまで、あたしはドキドキしてフワフワして、大変だった。

 なんの、つもりだろう。

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