月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
4-2 ジェット
冬海の告白を、梅雨の雨も流してはくれず、顔も合わせず2人で過ごすこともしなくなって、生活から色を消してしまったようだっだ。
もちろん同じ学校にいるから、会うことはある。
幾度かすれ違うことがあっても、挨拶も交わすこともなく、お互いを見つつも、声もかけずに通り過ぎるだけ。
梓と美由樹には「ケンカをした」と言ったけど、どうも仲直りの様子も無いようだと思ったらしく、冬海のことを聞いてくることは無くなった。
中尾先輩とマミ先輩とも、言葉を交わしていない。
いつの間にか梅雨が明け、夏休みも終わろうとしていた。
その月日をあたしは、ただぼんやり過ごしていたような気がする。