月光レプリカ -不完全な、ふたつの-

2-1 サン

「幸田さんごめんねいつも。じゃあ、来週までその書類」

「大丈夫です、あたしあんまり企画に入ってないし、これぐらいしかできること無いので」

 中尾先輩、前生徒会長だった人。
 背の高い中尾先輩に手書きのを貰いながら、あたしは受け答えをしていた。

 あたしは、書記とかをやってたわけではないけれど、できることはやろうと、書類作成とかいわゆる雑用なんかをよくやっていた。

 中尾先輩は3年生になったので、会長を引退。跡継ぎは決まってて、2年生の新執行部になる。

「幸田さん会長になれば良かったのに。向いてるよ」

「そんな、無理ですよ。先頭に立ってやるような性格じゃないですし。地味だし」
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