月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
「アキラがさーアンタの後をつけてさぁ」
「え、ちょっと友哉……」
友哉、何を言い出すの?! 「後をつけて」と言った時に、冬海があたしを見た。
「だぁから、俺、アキラのこと見てたんだってば。あー正確に言うと、コイツを見つける為にホテル張ってたら偶然アキラが居たんだけど。トーミくんはホテルに入って行っちゃって、そしたらアキラ、キモいおっさんに連れて行かれそうになってて」
「やめて!」
最悪だ。友哉が冬海を張る? 言ってる意味が分からない。何を言ってるの?
「園沢、トーミくんでしょ。売春くん」
……! なんで友哉がそのことを?!
「俺、知ってんだぜ。コイツ男のくせに体売ってんの。キモいマジで、死んでくれよ」
「なっ……!」
あたしは友哉の腕を掴んだ。「やめて!」と力を入れた。すると友哉が睨みつけるようにあたしを見る。