月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
「マミって居るだろ、そっちの学校の生徒会? あれ、俺が遊んでる女だから」
「え!?」
友哉はマミ先輩と知り合いなの? え、だって、マミ先輩は中尾先輩のことを好きなはず……なんで、友哉と? どういうこと?
「アキラ、知らないのお前らだけなんじゃねえ? 俺はコイツを知ってたし、マミは俺と繋がってるし、俺はお前がコイツとつき合ってることも知ってたし」
理解不明の言葉が次々と出てくる。何を言ってるの? この人……。
「マミはあんたらを陥れたくて奮闘中みたいだね。だからトーミくんを調べて欲しいって言われて。それで知ったわけ。なんでか知らんけど、どうせ男だろ」
中尾先輩からあたしを引き離したいことは分かっていたけど、なんで……冬海まで。そういえば、マミ先輩が「あたしの友達がホテルに入る冬海を見た」って言ってた。その友達って、友哉なんだ!
「俺はアキラ、マミはお前たち2人。利害が一致したと言うかなんつーか。まぁ俺はマミがどうなろうが知らないけど」
何がどうなっているのか、分からなかった。
会話が途切れてしまって、車が走る音や人の話し声が聞こえて、そして暑くて、この状況にめまいがしそうだった。
横で、ため息が聞こえる。冬海だ。
「……俺が、そうだったからって、あんたに何の関係があるんだよ」
「なに?」
聞いたことの無い、低い声。
冬海の方を見ると、怒ってるのか、鋭い目つきで友哉を見ている。
「俺が売りやってるの、何の関係があんだよ」
「はあ?」
さっきよりも大きな声ではっきりと言った冬海。挑発的で、ケンカ売ってる様な言い方。友哉も目がギラついてきた。