月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
マミ先輩の目的と、友哉の目的が一緒だったから、2人は……。
中心に居るのはあたし。そして、冬海も巻き込んでしまったんだ。
マミ先輩も中尾先輩も、友哉だって、冬海に全く関係が無いのに。
熱い日差しは、さっきとは変わらなくて、きっと今晩は熱帯夜になるんだろう。寝苦しいと決まって良い夢は見ない。毎年そうだ。
さっき、冬海があたしを睨んだ時のあの目を思い出す。
冷たい目だった。
大人に買われて、お金を稼いで、その目で一体何を見てきたの?
今は夏だけど、冬海はその名のように、寒い海。
人を寄せ付けない冬の海に心を沈めて。
あたしは、その冷たい手を温められると、勝手に思い上がっていたのかもしれない。冬海の心がどこにあるのか、何を抱えているのか。
電車を待っている時、強い風がホームに吹いた。
あたしは、プールに入る時の様に息を止めてみた。水の中に入る時の様に。思い出したのは、花壇で寝ていた冬海の寝顔で、呼吸が止まったこと。
目からは涙が伝っていたけど、夏の熱い空気がきっと乾かしてくれるだろう。だから、もう少し泣いても良いよね。
思い出すのは冬海の笑顔ばっかりで、息苦しい。
冬海に、会いたくて仕方がなかった。
***
中心に居るのはあたし。そして、冬海も巻き込んでしまったんだ。
マミ先輩も中尾先輩も、友哉だって、冬海に全く関係が無いのに。
熱い日差しは、さっきとは変わらなくて、きっと今晩は熱帯夜になるんだろう。寝苦しいと決まって良い夢は見ない。毎年そうだ。
さっき、冬海があたしを睨んだ時のあの目を思い出す。
冷たい目だった。
大人に買われて、お金を稼いで、その目で一体何を見てきたの?
今は夏だけど、冬海はその名のように、寒い海。
人を寄せ付けない冬の海に心を沈めて。
あたしは、その冷たい手を温められると、勝手に思い上がっていたのかもしれない。冬海の心がどこにあるのか、何を抱えているのか。
電車を待っている時、強い風がホームに吹いた。
あたしは、プールに入る時の様に息を止めてみた。水の中に入る時の様に。思い出したのは、花壇で寝ていた冬海の寝顔で、呼吸が止まったこと。
目からは涙が伝っていたけど、夏の熱い空気がきっと乾かしてくれるだろう。だから、もう少し泣いても良いよね。
思い出すのは冬海の笑顔ばっかりで、息苦しい。
冬海に、会いたくて仕方がなかった。
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