月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
メールを送信したところで、外からボボボボという音が聞こえてきた。「お、来たな」と吉永先生が言う。
「行くぞ。園沢、歩けるか?」
「大丈夫、です」
見るからに大丈夫じゃないのであたしは腰に腕をまわして支えた。冬海も「ごめん」って言いながらあたしに体重をかけてきた。
ドアから出て、持ったままだったアパートの鍵をかける。アパートの前の道路に黒い車が停まっていた。凄い響くエンジン音だ。近所迷惑じゃないかなぁ……。
「アルファードだ、かっけー……」
冬海が小さい声で言った。
「アル……? 詳しいね」
少し足を引きずりながら冬海は歩いている。足も痛いみたいだ。
車のドアが開いて、背の高い人影がニョッキリと立ち上がる。男の人だ。吉永先生も大きいけど、この人も大きい。
「悪いなタケ。頼めるのお前ぐらいで」
「心配すんな、乗って。連絡はしてあるから」
大きな車。あたしと冬海は後部座席に、吉永先生は助手席に乗り込んだ。
車内は芳香剤の良い香りがする。
広い車だなぁ。ロックがかかっている。
走り出すと先生と男の人は何やら話をしているけど、音楽のせいでよく分からない。どうやらこれから行くところの話をしているみたいだ。
「行くぞ。園沢、歩けるか?」
「大丈夫、です」
見るからに大丈夫じゃないのであたしは腰に腕をまわして支えた。冬海も「ごめん」って言いながらあたしに体重をかけてきた。
ドアから出て、持ったままだったアパートの鍵をかける。アパートの前の道路に黒い車が停まっていた。凄い響くエンジン音だ。近所迷惑じゃないかなぁ……。
「アルファードだ、かっけー……」
冬海が小さい声で言った。
「アル……? 詳しいね」
少し足を引きずりながら冬海は歩いている。足も痛いみたいだ。
車のドアが開いて、背の高い人影がニョッキリと立ち上がる。男の人だ。吉永先生も大きいけど、この人も大きい。
「悪いなタケ。頼めるのお前ぐらいで」
「心配すんな、乗って。連絡はしてあるから」
大きな車。あたしと冬海は後部座席に、吉永先生は助手席に乗り込んだ。
車内は芳香剤の良い香りがする。
広い車だなぁ。ロックがかかっている。
走り出すと先生と男の人は何やら話をしているけど、音楽のせいでよく分からない。どうやらこれから行くところの話をしているみたいだ。