月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
 生徒会だからってわけではないけど、あたしは部活動は入っていない。何もできないし。

 うちの学校は文武両道の割に部活は強制ではない。でも、梓や美由樹でさえ進学に響くからと、活動の緩い文化部にそれぞれ入っている。

「光はもっと遅いもん」

 今年から中学1年生の妹・光(ヒカル)。

 光は小学生から地元のスポーツ少年団でバレーボールをやってから、もうそっち一本。
身長も、中学生のくせにあたしより大きい。

「いただきまーす」

 お父さんが帰ってきてるから、今日はいつものようにお刺身。お父さんが好きなメニュー。

「晃いま高2か。どうすんだ、進学か就職か」

「進学。何のために進学校入ったと思ってんの」

「そうか。まぁあんまり無理すんな。お父さんは高卒だけどちゃんと生きてる。お母さんと結婚して、陽輝と晃と光がいる」

 なんの慰めか、お父さん。

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