月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
5-2 カリビアンブルー
「おーいお姫様たち、起きないかな? もうお昼ですけど。ご飯もあるよ」
「……」
その声に目を開けると、自分がどこに居るのか分からない錯覚。
どこだっけ? 何してるんだっけ。
「もう昼じゃん。トリコ見るの忘れた……」
そう言ったのは梓だ。両手を頭の上に挙げて、寝たまま伸びをしている。
「もうそんな時間?」
そうだった、ここ美由樹の部屋だ。
時計を見ると、11:30ちょっと前だった。夜更かししたとはいえ、けっこう眠ったな。寝坊だ。
「お昼食べる?」
部屋を覗いていたのは、美由樹のお母さんだった。
「食べるー」
「じゃあみんな降りて来てね」
美由樹が返事をすると、お母さんはドアを閉めて降りて行った。
「お腹空いたし。お昼あるって」
「なんか、悪いんだけど……」
頭をかく梓。あたしもちょっと悪いなって思ってる。