月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
 冬海の首の下に潜り込んだ。まだちょっとこうしていたい。温かくて、出たくないから。

「ご飯だなぁ。食うー?」

 冬海はあたしの頭の上で伸びをした。布団、2人で狭いもんね……眠れただろうか。(あたしはぐっすり寝たけど)

「お腹空いたよね」

「冷蔵庫に何も無いし……コンビニかな」

 コンビニなのは今日ばかりでは無いはずだけど、だからと言ってあたしが作れるはずもなく。きっと冬海のほうが料理は上手だ。

「食べ物買いに行く?」

「そうだな。あ、マック行く?」

「なんで?」

「行くって、約束したべ」

 いつの話なんだっけ……? そういえばそういう約束もこれからはたくさんできる。そう思うと胸が温かくなった。自然とにやけてしまう。

「今日は何する?」

 冬海となにも約束をしていないから、これからいっぱい約束しよう。1個つず叶えて行きたい。

「1回あたし帰るよ。着替えもしたいし」

「なんかそういや荷物多いよな。家出?」

「んなわけない。梓と美由樹と3人でお泊りしてたのー」

「女子会ね」

「そそ」

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