月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
6-1 ムーンライト
本当は、学校の長期休みに合わせて行きたかった秋田。でも、お互いの休みに合わなくて、日曜日、今日1日だけの旅。日帰り強行だけど。
仕事をしている冬海と、学校があるあたし。冬海が休みでも、あたしがテスト期間だったり。だから延び延びになっていた。
高速バス切符売り場が、駅前にある。そこで待ち合わせをしていた。小走りで待ち合わせ場所に到着した時、すでに冬海は来ていて、何かのパンフレットを見ていた。あたしの姿を認めて、冬海が手を挙げた。
「何見てるの?」
どうやら旅行のパンフレットみたい。「四国へ」と書いてある表紙だった。
「駅で見つけたから、行ったこと無いし。見てただけ」
そう言って、薄いパンフレットを小さく折り、市松模様のボディバッグへ入れた。なんだ、行くんじゃないのか。あたしも四国はよく分からないけど。どうやって行くんだろう。
「そのうち行きたいなー。晃の卒業旅行とか?」
何か理由を付けて行きたいらしい。いたずらっこの様な笑顔に少しほっとした。卒業旅行か。梓と美由樹とも行きたいな。
「それじゃあ、あたしどうしても卒業しなきゃね」
「できないの?」
「するよ!」
冬海はデニムに、袖だけチェックになった白の長袖シャツ、中にボーダーの半袖を着ているようだった。あたしはワンピース。動きにくいヒールのあるものはやめて、スニーカーにした。
電車に乗っていて、今日は天気も良いからだろう、サンダル姿の人も居た。可愛いなと思って見ていた。
仕事をしている冬海と、学校があるあたし。冬海が休みでも、あたしがテスト期間だったり。だから延び延びになっていた。
高速バス切符売り場が、駅前にある。そこで待ち合わせをしていた。小走りで待ち合わせ場所に到着した時、すでに冬海は来ていて、何かのパンフレットを見ていた。あたしの姿を認めて、冬海が手を挙げた。
「何見てるの?」
どうやら旅行のパンフレットみたい。「四国へ」と書いてある表紙だった。
「駅で見つけたから、行ったこと無いし。見てただけ」
そう言って、薄いパンフレットを小さく折り、市松模様のボディバッグへ入れた。なんだ、行くんじゃないのか。あたしも四国はよく分からないけど。どうやって行くんだろう。
「そのうち行きたいなー。晃の卒業旅行とか?」
何か理由を付けて行きたいらしい。いたずらっこの様な笑顔に少しほっとした。卒業旅行か。梓と美由樹とも行きたいな。
「それじゃあ、あたしどうしても卒業しなきゃね」
「できないの?」
「するよ!」
冬海はデニムに、袖だけチェックになった白の長袖シャツ、中にボーダーの半袖を着ているようだった。あたしはワンピース。動きにくいヒールのあるものはやめて、スニーカーにした。
電車に乗っていて、今日は天気も良いからだろう、サンダル姿の人も居た。可愛いなと思って見ていた。