月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
「……」
マミ先輩が、切れ長の目でこっちを見ている。メガネを隔てて。
「あの、あたしも帰らないと……」
あたしは、椅子から立ち上がった。ガタン、と音が鳴ってしまった。
「幸田さん」
マミ先輩の声が呼ぶあたしの名前は、自分のものじゃないみたいで。
「調子、乗んないほうがいいわ」
背筋が冷えた。
もしかしてさっきの話、聞いてたの?
「彼、ちょっとのぼせてるだけだと思う」
「あたし……あの」
「とにかく。ちゃんと断ってあげてね」
マミ先輩、中尾先輩のこと……。
腕を軽く組んで、マミ先輩はあたしをじっと見ている。
「か、帰ります」
怖すぎる。
マッハで準備して、逃げるように生徒会室を出た。
ああいうのに関わっては、ろくな事が無いと思う。
マミ先輩が、切れ長の目でこっちを見ている。メガネを隔てて。
「あの、あたしも帰らないと……」
あたしは、椅子から立ち上がった。ガタン、と音が鳴ってしまった。
「幸田さん」
マミ先輩の声が呼ぶあたしの名前は、自分のものじゃないみたいで。
「調子、乗んないほうがいいわ」
背筋が冷えた。
もしかしてさっきの話、聞いてたの?
「彼、ちょっとのぼせてるだけだと思う」
「あたし……あの」
「とにかく。ちゃんと断ってあげてね」
マミ先輩、中尾先輩のこと……。
腕を軽く組んで、マミ先輩はあたしをじっと見ている。
「か、帰ります」
怖すぎる。
マッハで準備して、逃げるように生徒会室を出た。
ああいうのに関わっては、ろくな事が無いと思う。