月光レプリカ -不完全な、ふたつの-

2-4 ペリドット

「コピー機あっちの使え。使い終わったら言ってくれれば」

「はい、分かりました」

 あたしは、職員室へ来てコピー機を借り、昨夜作ったプリントをコピー中。

 「えーと」全部で5ページだから……


 少し離れた机にいる、生活指導のナマハゲ吉永先生と目が合った。

 手を挙げられたので、会釈をしておいた。


 コピー機は働いていて、昼休みはあと10分くらいある。出来上がって、生徒会室に置いてくるくらいは出来るかな。

 ずんずん、足音が聞こえる。嫌な予感。

「おう幸田。生徒会忙しいのか?」

 なんか、図書室で会った時もそんな事言ってなかった?

「いえ、ちょっと書類作成を」

「そうか」


 ナマハゲ吉永。あ、ハゲって言っても髪がボサボサなだけで別にハゲではない。ボサボサなのに生活指導。

 生徒の髪型を言う前に自分のヘアスタイルなんとかなんないの? と思うのはあたしだけじゃないと思う。ボサボサでジャージ。

 あと、眉毛も太い。声もデカイ。

 顔が怖い。

 女の子逃げてっちゃうよ。

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