月光レプリカ -不完全な、ふたつの-
 ナマハゲめ。生徒をからかって、今にバチが当たるんだからな。

「そんな事言って、生活指導のくせに~」

「だってお前ほら、大きな声では言えねぇけど、生活指導って感じじゃねーじゃん俺」

「たしかに」

「ハッキリ言うな」

 あたしは、プッと吹き出した。

「付き合うだなんだって、当人同士の問題だしなぁ。まぁ、ヘンな事だけしなきゃいいんじゃねーの」

 理解あるっちゃある。こんな事言うなんて意外。

「教師クビになると先生困るでしょうから、今の話はナイショにしときます」

「おう、頼む」

 なんて会話してんだか、あたし達。



「先生って、いくつなんですか?」

「28」

「はぁ!?」

 彫りの深い濃い顔の中で、目を見開いて吉永先生はあたしを見た。

「お前なんだその驚き方は。なんで少しキレ気味なんだ」

 うわー。何気なく聞いた質問だけど、28ってビックリした。

「30代後半くらいに見えますよ。ヤバイですよ先生」

「ええ、マジで!?」

「30後半でも、EXILEに居る感じだったら良かったですね」

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