見えない糸

「私、教科書とかノートとか、触れたものを全て、あの男に投げつけたの。
近づいて欲しくないから。

なのに払いのけられて…髪引っ張られて…

床に倒されて…


私…大声出したの。
とにかく叫んだの。

けど口を塞がれて…大人の力じゃ私は勝てなくて…


あの人の手が…息が…


誰も助けに来てくれなくて…


止めて!って何度も言ったけど止めてくれなくて…

涙が止まらなくて…



そしたら


何してるのよ!!!

って叫び声が聞こえて。



見たら、お母さんが立っていたの。」


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