見えない糸
糸の存在
紗織と一緒に暮らすようになってから、直次自身も変わった。
今までは食生活なんて気にした事もなく、どちらかと言えば“一人で生きてるんだから、何をどうしようと自分の勝手だ”と思っていたのが、紗織を養子にしてから、そう思わなくなった。
こんなにも変わるものかと、自身の事なのに不思議に思う。
パソコンのデータには、紗織の成長記録と写真も入っていた。
紗織の過去の記憶は相変わらず戻らないが、入院していた頃のように無表情になる事はなく、毎日元気に過ごしている。
書類上だけの父親じゃなく、出来るだけ本物の父親に近づこうと、直次なりに努力してきた。
紗織も直次を“オジサン”と呼んでいたが、本当の父親のように接してくれた。
あれから6年…
紗織は中学、高校を無事に卒業した。
進学や就職させる事も考えたが、未だに思い出せない紗織の“過去”を、そのままにする訳にいかない。
成長記録や写真を見て直次は決心した。
今までは食生活なんて気にした事もなく、どちらかと言えば“一人で生きてるんだから、何をどうしようと自分の勝手だ”と思っていたのが、紗織を養子にしてから、そう思わなくなった。
こんなにも変わるものかと、自身の事なのに不思議に思う。
パソコンのデータには、紗織の成長記録と写真も入っていた。
紗織の過去の記憶は相変わらず戻らないが、入院していた頃のように無表情になる事はなく、毎日元気に過ごしている。
書類上だけの父親じゃなく、出来るだけ本物の父親に近づこうと、直次なりに努力してきた。
紗織も直次を“オジサン”と呼んでいたが、本当の父親のように接してくれた。
あれから6年…
紗織は中学、高校を無事に卒業した。
進学や就職させる事も考えたが、未だに思い出せない紗織の“過去”を、そのままにする訳にいかない。
成長記録や写真を見て直次は決心した。