見えない糸
「あの…私に話って何でしょう?」
小谷が聞いてきた。
「僕が聞きたいことは、うすうす分かってるんじゃありませんか?」
直次はそう言うと、鞄の中から写真を取り出した。
それを受け取り見る小谷の表情が、みるみる強張っていくのが分かった。
「私は貴女に伺いたい事があります。紗織の治療の為には、貴女が知ってる紗織の情報を全て話して頂かなくてはなりません」
小谷はしばらく黙っていたが、観念したのか
「わかりました。お互い車なので、佐々木先生が私の後ろを付いて来て下さい。私の家でお話します」
と言った。
小谷が前に直次の家に来た時、運転が下手だからーと言っていたが、後ろを付いていくこっちの方が大変だと感じるほど、上手…というか、かなり乱暴な運転だった。
「後ろに付いて来てって言う割に、スピード出し過ぎだぞ!まさか…俺を振り切るつもりじゃないよな?!」
事故らないように、いつも以上に真剣にハンドルを握った。
どこをどう通ったのか、いつの間にか住宅地に来ていて、そこの奥にある団地の駐車場に止まった。
「こちらが来客用の駐車場なんで、ここに止めてください」
小谷が車の窓を開けて言うと、直次は頷いてそこに車を止めた。
小谷の駐車スペースは、来客用の場所の2台隣りらしく、見事なハンドル裁きでスッと車を止めた。
「運転、かなり上手いじゃないですか…僕の家に来た時は、こんなんじゃなかった」
「慣れてる道だからですよ、佐々木先生」
小谷はクスクス笑いながら言った。
小谷が聞いてきた。
「僕が聞きたいことは、うすうす分かってるんじゃありませんか?」
直次はそう言うと、鞄の中から写真を取り出した。
それを受け取り見る小谷の表情が、みるみる強張っていくのが分かった。
「私は貴女に伺いたい事があります。紗織の治療の為には、貴女が知ってる紗織の情報を全て話して頂かなくてはなりません」
小谷はしばらく黙っていたが、観念したのか
「わかりました。お互い車なので、佐々木先生が私の後ろを付いて来て下さい。私の家でお話します」
と言った。
小谷が前に直次の家に来た時、運転が下手だからーと言っていたが、後ろを付いていくこっちの方が大変だと感じるほど、上手…というか、かなり乱暴な運転だった。
「後ろに付いて来てって言う割に、スピード出し過ぎだぞ!まさか…俺を振り切るつもりじゃないよな?!」
事故らないように、いつも以上に真剣にハンドルを握った。
どこをどう通ったのか、いつの間にか住宅地に来ていて、そこの奥にある団地の駐車場に止まった。
「こちらが来客用の駐車場なんで、ここに止めてください」
小谷が車の窓を開けて言うと、直次は頷いてそこに車を止めた。
小谷の駐車スペースは、来客用の場所の2台隣りらしく、見事なハンドル裁きでスッと車を止めた。
「運転、かなり上手いじゃないですか…僕の家に来た時は、こんなんじゃなかった」
「慣れてる道だからですよ、佐々木先生」
小谷はクスクス笑いながら言った。