君を愛したい
「ふぁ~……つか、星来今日早くね?」
「え?あぁ、今日は朝練なの」
「もうすぐ試合だっけ…?」
「うん。みんな頑張ってるからあたしも頑張らなきゃ!!」
かなり意気込んでる星来は、野球部のマネージャーをしている。
部活の話で思い出されるのは5月頃……星来がマネージャーになるって言い出した時。
『あたし野球部のマネージャーになる!』
『は?』
『なんか楽しそうだしっ!!』
『………やめとけ。楽しくなんてねえって。雑用ばっかだし』
そう言って、俺はマネージャーになることに反対したんだ。
表情にはだしてなかったけど内心はハラハラしていた。
野球部なんて男ばっかだし。
……ようするに嫉妬、なわけで。
まあ、結局星来はマネージャーになったんだけど。
あのとき
『お前をそんな男の巣窟に行かせたくない』
とか、かっこいいことを言えてたら……
まあ、俺には言うことができないセリフなんだけど。
そこまで考えて、俺は盛大なため息をついた。