君を愛したい
「~で、あるからして……」
…つっまんねー……
窓際の席から俺は頬杖をついて、教壇に立つ教師をぼんやり眺める。
自慢じゃないけど、俺は勉強は得意だ。
小さい時から、一回見聞きしたことは忘れない。
今やってる数学の内容だって、前回の応用。…簡単すぎ。
さっさと問題を解いた俺は、体育で賑やかな外に目をやる。
グラウンドを走っている奴らを眺めていると、ふと目に入る長いポニーテール。
---星来?
そうだ。今は隣のクラスの授業だった。
無意識に目で追っていると、突然視界から姿が見えなくなってしまった。
「星来っ!!!?」
その消えた姿に俺はガタッと立ち上がってしまう。
瞬間、バッと振り向くクラスメート達。
「なんだ、夏川!先生の授業に文句でもあるのか!?」
「…はっ!?…え、あ。すんません」
よほど驚いたのか、ビクビクと俺に問いかける教師に返事をしながら腰掛ける。
そして再び外に目を向けると、こけて起き上がる星来の姿があった。