君を愛したい
「ぶぁっははははっ」
休み時間になった途端、駆け寄ってきた陸に大笑いされてる俺。
……手加減なしに人の背中を叩くのはやめてほしい。
「いっやあ、さすがの俺も焦りましたよ?お兄ちゃんっ」
ゲラゲラ笑う陸を見ていると、ふつふつと何かが湧き上がってきて………
「いってーっ」
「はいはい。…あ。次ふけるわ」
陸の頭を思いっきり叩き、そう言いながらガタッと椅子を鳴らして立ち上がる。
その瞬間、掛けられる一言。
「星来ちゃんに怒られるぞーっ!」
その言葉に、ピクッと反応したのは事実。
でもそれも一瞬のこと。
陸に軽く右手を上げて、そのまま屋上へと足を進めた。
□
「………はぁ…」
屋上でひとりであお向けになり、真っ青な空を見上げる。
この時間の空はあまり好きじゃない。
星が見えてないから。
俺にとっての“空”は、星がないと意味をなさない。
そこまで考えて、俺は空から目をそらした。