君を愛したい
ひとりでいると、考えてしまうのは星来のことばかり。
「……って、いつもか…」
自嘲気味に笑いながら、ふぅ…と軽く息をついた時だった。
「……っん…あんっ…」
…………
突然聞こえてきた、甘ったるい声。
むくっと起き上がり、声のした方に顔を向ける。
「…えッ…やっ……もうっ、いじわるっ」
「………うぜ…」
顔を歪めながらボソッと呟くと、俺は声のした方に歩いていった。
ちょっと邪魔してやろうと思って。
あんな声を聞くと、ますます広がるんだ、俺の妄想が。
――星来はどんな声で鳴く?
――星来の胸の大きさは?
――星来の恥ずかしがる顔、少し潤んだ瞳。
「………だーっ!!!!」
自分の考えたことがあまりにリアルで、俺は現場を覗く手前で、大声を出してしゃがみこんでしまった。
その瞬間、途切れた女の声…と
「……クックックッ」
微かに聞こえる男の笑い声。
そしてなぜか呼ぶ、声。
「おい、蒼空っ」
…………はい?