君を愛したい
一瞬きょとんとした後、俺は恐る恐る声のした方を覗き込んだ。
…………っ!!!
「な、七瀬先輩…!?」
「おー」
そこにいたのは、服は乱れてるもののすげえ美人な女の人と、七瀬先輩。
「……先輩、授業サボってヤってたの?」
しら~とした視線を送ると、先輩は意味ありげに笑いながら俺を見てくる。
「そう言うお前は何してたんだ?授業サボって」
「な、何って……」
――星来のこと考えてましたー
……なんて言えるわけねえって!!!
「ちょっと昼寝を」
「ふうん?」
少しだけ口の端を釣り上げながら、先輩は相づちを打つ。
――まるで全てわかってるみたいに。
少し気まずくなって、パッと目をそらした時、それまで黙ってた女が口を開いた。
「あ~、君、夏川くん?」
「……は?」
「そうでしょっ」
「は、はあ…」
にこっとしながら俺を指差してくる女を、俺は不審そうに見る。
初対面なのに、なんで俺を知ってる?