眼鏡と私とあなた
3.正体
―――麗side―――
まさか、こんなことになるなんて想像もしていなかった。
町田さんが俺の家に訪れたのだ。
おそらく、わんちゃんの散歩で。
そうか、ランは町田さんちの犬だったのか。
町田さんのお母さんが散歩しているのと、俺がメリーの散歩しているのが一緒になって、ランとメリーは知り合いになった。
まさか、俺の家まで来るなんて・・・
しかも、俺は眼鏡をしていなかった。
完全な素顔。
でも、町田さんは俺だというのは気づかなかったみたいだ。
どこか、不審がっている様子は窺えたけど。
でも、ギリギリセーフということか。
ま、これも何かの縁だ。
一緒に散歩しよう。