眼鏡と私とあなた
「あ、なるほどな」

空気を読んでくれた里中さん。

「葵君、今日はどんなご用件で?」

もちろん、葵ってのは俺の偽名。

こんなこともあろうかと、作っておいたのさ。

「あ、彼女のコンタクトを作って欲しいんだけど」

「あ、町田紗季です」

「はい。ところで、君、紗季ちゃん・・・だね?結構レンズ厚いんだね」

「一応コンタクトも試してみたんですけど・・・目に合わなくて」

確か、腫れるんだっけ。

大変だよなぁ。

俺ってば伊達だもんな。

「なるほどねぇ。ちょっと検査もしてみようか」

と、別室に連れて行かれた町田さん。

俺はと言うと、なんとなく独りぼっち。
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