眼鏡と私とあなた
人は眼鏡ひとつであんなに変わっちゃうんだなぁ。

「紗季ー?朝ごはん出来たわよー?」

お母さんが下から声をかけてくる。

「はーい」

私はぼーっとしながらも眼鏡をかけて、部屋を出た。

「あれ、母さん、今日はご飯こってるね」

先に食卓に座っていたのは兄。

私が飛び蹴りなどを自然と学んだのは兄のおかげなのかもしれない。

兄は今では好青年だけど、昔はバリバリのヤンキーだったの。

だから、今では兄の必殺技や言葉遣いがある時だけ引き継いじゃうってわけ。

「おはよう、佐渡」

「おはー、紗季ー」

私は兄のことを呼び捨てにします。

「てか、お母さんどうしたの?今日なんとなく豪華じゃない?」

「気のせいじゃないかしら。たまにはいいかなと思って。ま、今日だけだよ」

お母さんは「ほほほ」と笑いながら答えた。
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