眼鏡と私とあなた
「そんなっ。私、優しくなんかないですよ」

「いーや、町田さんは可愛いし、めちゃくちゃ優しいよ」

可愛い?

私が?

ナイナイナイナイ。

「可愛くなんかありませんよ!」

「俺、見ちゃったんだよね。君が眼鏡をはずしてるとこ」

ほえ?

「そしたらさぁ、めちゃくちゃ可愛くてさ、そこいらの可愛い女子より数倍可愛くてさ」

「私が他の人より可愛いなんてことはあってはいけないことです」

「謙虚だね」

「いや、そんなんじゃ・・・」

「もし、あいつらに変なことされたら俺に言えよ?」

え?

「俺が助けてやる!」

そういって、ゴミ箱を持って秋山君は去って行った。

・・・・・・一目ぼれかぁ。

そういえば、一目ぼれなんてしないようにしてたっけ。

しても、こんな眼鏡のせいでぶち壊されてたしね。
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