ダブルベッド

「入社3年目か。手がかかったがやっと一人前になってきたな」

「手がかかったって……」

 充は苦笑い。

 課長は再び鼻で笑う。

「お前は最近の若い奴の典型だからな。出世欲も感じないし汗水垂らすのを嫌うし」

 確かに出世欲もなければあまりガツガツ働く気もない。

「それって普通じゃないんすか?」

「バーカ。俺たちがお前くらいの年の頃はもっと張り切っていたさ」

「へぇ」

「結婚もして、カミさんに子供ができたりして。バリバリ稼ぐぞって躍起になってた。それが普通だった」

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