ダブルベッド

 ジェネレーションギャップというやつだろうか。

 意外にも課長は早く結婚していたらしい。

 いや、当時はそれくらいが普通だったのだろう。

 課長はタバコの火を消した。

「まぁ、なんだ。お前に足りないのは、営業成績ってことさ」

 痛いところを突かれ、充の体にはまた力が入る。

「すみません……」

 フンと鼻をならし、課長はオフィスへと戻る。

「いつまでサボってんだ。さっさと仕事に戻れ」

 という捨て台詞とともに。

 充は開いていたメール画面を閉じて、返信は後回しにすることにした。

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