ダブルベッド

 誘っているかのような動きにドギマギしつつ、シーツを彼女にかけながら自らも横になる。

 ベッド中央にいる無防備な桃香。

 転がった拍子にこちらを向いて、暗いながらも愛らしい寝顔がうっすら見える。

 充は腕を伸ばし、眠っている桃香の頭を撫でた。

 そして再び、吸い寄せられるようにして顔を顔に近づけ……。

 チュッ。

 額に軽くキスをする。

 桃香は眠ったままだった。

 あーちくしょう。

 据え膳を前にして、何もできないもどかしさ。

 体が重い。

 今日一日、朝から遊び回って疲れている。

 それが救いになった。

< 95 / 345 >

この作品をシェア

pagetop