ダブルベッド
アラームはジャカジャカ鳴っている。
声がした方を向くと、バッチリ身支度を終えた桃香が笑っていた。
「とりあえず……それ、止めて」
アラームが止まり、部屋は急に静かになった。
「ほら、9時だよ。起きて起きて」
「うーん、まだ眠い」
「9時に起きるって言ったじゃない。あたし、ちゃんと約束通りに準備終わらせたんだからね」
「よく言うよ。先に寝てたくせに」
「何のことぉ~?」
わざと知らないふりをする桃香。
俺の葛藤も知らないで……。
充は仕方なく体を起こし、桃香に言われるがまま活動を始めた。